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対人関係

【感想】『愛するということ』を読んで両親との関係や恋人について考えてみた

エーリッヒ・フロムの名著『愛するということ』を読んで

両親との関係や恋人について考えた5つのこと

をご紹介します。

【感想】『愛するということ』を読んで、両親との関係や恋人について考えた5つのこと

エーリッヒ・フロムの名著『愛するとということ』を読んで、両親との関係や、恋人について考えることがたくさんありました。

今回はその中から5つをピックアップしてご紹介します。

①母親の愛を条件付きの愛だと錯覚した

②恋人に無条件の愛を求めてしまうかもしれない

③両親が離婚を我慢したことで悪影響を受けた

④母親から「蜜」は与えられなかった

⑤辛い状況のなか育ててくれた両親にありがとう

さっそく順に見ていきましょう。

①母親の愛を条件付きの愛だと錯覚した

『愛するということ』の第二章で、フロムは、母親の愛について以下のように述べています。

母の愛は無条件だ。しなければならないことといったら、生きていること、そして母親の子どもであることだけだ。母の愛は至福であり、平安であり、わざわざ苦労して獲得する必要もなく、それを受けるための資格があるわけでもない。

引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』

つまり母親の愛は、ただ存在しているだけで与えられる無条件の愛だということ。「いい子にしてるから愛される」とか、「勉強ができるから愛される」というものではありません。

ところが僕の場合、母親の愛を勝手に条件付きの愛だと錯覚してしまいました。なぜなら物心ついた頃から両親が不仲で、毎日のように両親の喧嘩を目の当たりにしたから。

母親が父親を一方的に非難する家庭環境で育ったため

Hikari
Hikari
僕もいい子にしてなきゃお母さんに世話してもらえなくなる

と、母親の愛を条件付きの愛だと考えるようになったのです。

このため母親に勧められた習い事は、やりたくなくても我慢して続けたましたし、小学校高学年の頃には、両親に認められたくて必死に勉強を頑張りました。

ただこれあくまでも僕の勘違いで、習い事をやめても、勉強ができなくても、母親は無条件の愛を与えてくれていたのだと思います。

②恋人に無条件の愛を求めてしまうかもしれない

『愛するということ』の第三章で、フロムは、子どもの頃に父や母に向けていた感情を、大人になってから恋人に移転するケースがあると述べたうえで、以下の例を紹介しています。

以下に取り上げるのは、情緒的発達の面で母親への幼児的愛着から抜け出していないと男たちである。

引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』

いまだに子どものような気分でいて、母親の保護・愛情・温もり・気遣い・賞賛を求めている。母親の無条件の愛を欲している。つまり自分がそれを必要としているから、自分は母親の子供だから、自分は無力だから、それだけの理由で無条件に与えられる愛を欲しがる。

引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』

まさに自分のことだなと思いました。

①で前述した通り、両親の不仲を経験し、「母親の愛は条件付きの愛だ」と錯覚してしまったので、心の奥底に

Hikari
Hikari
無条件に愛されたい

という欲求が眠っている気がします。

今後恋人ができたら無条件の愛を求めてしまうかもしれないし、もしかしたら今でも、すべての人間関係において無条件の愛を求めているのかもしれません。

恋愛において無条件の愛を求めてしまうと

「無条件に愛されたから愛する」

「無条件に愛されたいから愛する」

という受身的な愛し方になってしまいます。これは本当に未熟な愛し方です。

そうではなくて、相手の尊い命と個性を尊重し、自ら進んで愛せるように気をつけたいと思います。

③両親が離婚を我慢したことで悪影響を受けた

『愛するということ』の第三章で、フロムは以下のように述べています。

不幸な結婚に終止符を打つべきではないかという問題が生じたときも、子供が投射の目的に使われる。そういう状況にある夫婦はよく、子どもから「一家団欒」の幸せを奪ってはならないから離婚するわけにはいかない、と言う。しかし、詳しく調べてみればすぐわかるように、「一家団欒」の中に漂う緊張と不幸の空気の方が、きっぱり離婚するよりもずっと子供に悪影響を及ぼす。

引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』

まさにその通りだと思いました。

物心ついた頃から両親は仲が悪く、毎日のように喧嘩をしていたのですが、離婚をしたのは僕が中学1年生のときです。

この間ずっと喧嘩に晒され続けた結果

・「嫌なことも我慢して続けなければならない」と考えるようになる

・「人は怖いものだ」「他者は基本的に敵である」と考えるようになる

・「嫌われたら大変なことになる!」と考え、自分の気持ちをうまく話せなくなる

といった様々な悪影響を受けたように思います。

親が子どもの幸せを願うのと同じように、子どもも親の幸せを願っています。ですので状況にもよりますが、夫婦関係がうまくいかないのであれば、子どものためにも、早めに離婚した方がいいのではないかと思います。

親の口から離婚することを聞かされたとき、寂しさよりも、離婚を我慢させてしまった申し訳なさを強く感じたのを、今でもよく覚えています。

④母親から「蜜」は与えられなかった

『愛するということ』の第二章で、フロムは、「母親の愛には『乳』と『蜜』の2つの側面がある」と述べています。

約束の地(大地はつねに母の象徴である)は「乳と蜜の流れる地」として描かれる。乳は愛の第一の側面、すなわち世話と肯定の象徴であり、蜜は人生の甘美さや、人生の愛や、生きていることの幸福を象徴している。たいていの母親は「乳」を与えることはできるが、「蜜」を与えられる母親はごく少数である。蜜を与えられる母親になるためには、たんなる「よい母」であるだけではだめで、幸福な人間でなければならないが、そういう母親はめったにない。

引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』

ただ子どもを気遣い、世話をする(=「乳」を与える)だけではダメなのでしょう。

子どもは母親の姿をよく観察して育つので、自分自身が楽しく幸せに生きる姿を見せ、「この世界は安全な場所である」「生きることは素晴らしいことだ」といった感覚を、子どもに与えるてあげる(=「蜜」を与える)必要があります。

子育てや家事、夫と良好な関係を築くことの大変さを思うと、「蜜」を与えられる母親はめったにいない、というのも頷けますね。

僕自身はどうだったかというと、やはり大多数の子どもと同じように、母親から「蜜」は与えられなかったように思います。

以下のような母親の姿は、楽しく幸せに生きているようには見えなかったからです。

・毎日のように父親と喧嘩する姿

・家族で外食したときに、両親間に漂うピリピリとした緊張感

・中島みゆきの『時代』を繰り返し聴きながら、寂しそうに眠りにつく姿

ちなみに以下が、『時代』の1番の歌詞です。

今はこんなに悲しくて
涙もかれ果てて
もう二度と笑顔には なれそうもないけど

そんな時代もあったねと
いつか話せる日がくるわ
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから 今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう

まわるまわるよ 時代はまわる
喜び悲しみくり返し
今日は別れた恋人たちも
生まれ変わって めぐりあうよ

引用:https://j-lyric.net/artist/a000701/l003c2f.html

歌詞の意味を理解できるようになった今、この曲を繰り返し聴く母親の姿を思い返すと、当時の母親の辛さが想像され、いたたまれない気持ちになります。

⑤辛い状況のなか育ててくれた両親にありがとう

ここまでで、両親の不仲と離婚により受けた様々な悪影響を書いてきましたが、決して両親を恨みたいわけではありません。

むしろ辛い状況のなか懸命に育てくれた両親には、感謝の気持ちでいっぱいです。

母親は仲の悪かった父親と早く離婚したかったはずなのに、僕たち兄弟がある程度成長するまで、我慢して育ててくれました。父親は離婚をした後も、一人で仕事と家事を両立し、僕たち兄弟を育ててくれました。

こうした両親の愛を受けて初めて、今の僕が成り立っています。ですのであるがままの自分を受け入れ、両親に感謝しながら、前を向いて生きていこうと思います。

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【感想】『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)は、今もなお読み継がれる名著

エーリッヒ・フロムの『愛するということ』は、今もなお読み継がれる、言わずと知れた名著です。

本書を読むと、「人を愛することは技術であり、努力や知力が必要である」ことや、「人を愛するために、どんな習練を積めばよいのか」について学べます。

以下の引用が、そうした本の内容を端的に表しているのではないでしょうか。

愛するという技術についての安易な教えを期待してこの本を読む人は、がっかりするだろう。この本は、そうした期待を裏切って、こう主張する–愛は、「その人がどれくらい成熟しているかとは無関係に、誰もが簡単に浸れる感情」ではない。この本は読者にこう訴える–人を愛そうとしても、自分の人格全体を発達させ、それが生産的な方向に向かうように全力で努力しない限り、決してうまくいかない。

引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』

また今回僕が実践したように、両親との関係を振り返ったり、自分の恋愛スタイルを知ったりすることもできます。

・愛することを通して、人格を発達させたい方

・両親との関係を振り返りたい方

・自分の恋愛スタイルについて知りたい方

は、ぜひ名著『愛するということ』を読んでみてください。

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