エーリッヒ・フロム著『愛するということ』を引用しながら
瞑想で鍛えた集中力が、なぜ恋愛において重要なのか
をご紹介します。
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『愛するということ』でも瞑想で鍛えた集中力の重要性が語られていた

『愛するということ』の第4章では、愛の能力に限らず、どんな技術の習練にも必要な3つの要素として、規律・集中・忍耐をあげています。
愛するという技術に熟達したいと思ったら、まず、生活のあらゆる場面において、規律、集中、忍耐の修練を積むまなければならない。
引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』
そして集中力を鍛える練習として、フロムが教えているのが、以下のような方法。
リラックスして椅子に座り、目を閉じ、目の前に白いスクリーンを思い浮かべ、邪魔してくる映像や想念を全て追い払って、自然に呼吸する。呼吸について考えるのでもなく、無理に呼吸を整えるのではなく、ただ自然に呼吸をする。
引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』
少なくともこうした練習を、毎朝20分ずつ(できればもっと長く)、そして毎晩寝る前にも続けるとよい。
引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』
これはまさに呼吸瞑想そのものですね。
・リラックスしている
・邪魔してくる映像や想念を追い払う(=呼吸に注意を集中する)
・呼吸について考えない
・自然に呼吸する(=あるがままを受け入れる、あるがままに存在する)
という部分は、現在広く浸透してきたマインドフルネスに通ずるものがあります。
【愛するということ】瞑想で鍛えた集中力がなぜ恋愛において重要なのか

『愛するということ』のなかでフロムは、「恋愛においては特に集中力が大切だ」と述べています。
言うまでもなく、いちばん集中力を身に付けなければならないのは、愛し合っている者たちだ。
引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』
それではなぜ、恋愛において集中力が大切なのでしょうか?
『愛するということ』の以下の部分に、答えがあるような気がしました。
より深く相手を知ることができれば、つまり相手の人格が無限であるのを知ることができれば、他人がそんなに身近になるはずがない。
引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』
彼らは往々にして、様々な方法を駆使してたがいに相手から逃げようとするものだが、そうではなく、しっかりとそばにいることを学ばなければならない。
引用:エーリッヒ・フロム著『愛するということ』
僕なりの解釈ですが、恋愛において集中力が大切なのは、良好な関係を築くには、常に変化し続ける相手と自分自身を、高い集中力で見つめ続けなければならないからだと思いました。
この世に変化しないものは何1つ存在しないので、当然相手も自分自身も少しずつ変化していきます。
にもかかわらず、今までの経験から得た思い込みが邪魔をして、新鮮な目で「相手の今」を見れないと、コミュニケーションをとったり、注意深く相手を観察したりすることをなおざりにしてしまいます。
お互いがこのような態度をとっていると、少しずつ生じるズレに気付けず、数年後には取り返しがつかないほどの大きな溝ができていたということになりかねません。
こうした事態を避けるためにも、瞑想で集中力を鍛え、人と接するときは常に「相手の今」に注意を集中する意識を持つべきだと思いました。
【愛するということ】瞑想で恋愛に必要な集中力を鍛える

瞑想を実践すると、以下のプロセスで脳の前頭葉が司る集中力を鍛えられます。
1つの対象に注意を集中する
↓
注意が対象以外の思考や感情、身体感覚、衝動などにそれる
↓
それた注意を再び対象に戻す
前述した通り、恋愛で相手と良好な関係を築くうえでも、瞑想で鍛えた集中力は大切です。
瞑想で集中力を鍛え、相手との良好な関係を築きたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。瞑想を実践するうえおすすめの本を紹介しています。
