ジョン・カバットジン著『マインドフルネスストレス低減法』の内容とおすすめの読者
をご紹介します。
Contents
『マインドフルネスストレス低減法』の内容

引用をご覧ください。
この中で述べられていることは、マサチューセッツ大学メディカル・センターのストレス・クリニックで行われている八週間の「ストレス対処およびリラクセーション・プログラム(Stress Reduction and Relaxation Program:SR&RP)の十年におよぶ臨床体験にもとづいたものです。
引用:ジョン・カバッドジン著『マインドフルネスストレス低減法』
何年ものあいだ、数多くの人びとから、ストレス・クリニックで患者たちが学んでいる”注意を集中する技術”を使った自己トレーニングを自分もやってみたい、という問い合わせが寄せられてきました。私はこういう声に応えるために、このプログラムを自分で実習しながらマスターできるように整え、「マインドフルネス瞑想法」として、この本を書きました。
引用:ジョン・カバッドジン著『マインドフルネスストレス低減法』
上記の通り、『マインドフルネスストレス低減法』は、アメリカのマサチューセッツ大学で行われているストレス対処プログラムを、読者が独学で実践できるように、「マインドフルネス瞑想法」として紹介した本です。
以下にマインドフルネスストレス低減法の内容を
①マインドフルネスストレス低減法の基本的な考え方とやり方(第I部)
②マインドフルネスストレス低減法でストレスに対処する方法(第II部)
③全体性や癒し、心と健康の関係(第Ⅲ部)
の順にご紹介します。
①マインドフルネスストレス低減法の基本的な考え方とやり方(第I部)
第I部では、前半でマインドフルネスストレス低減法の基本的な考え方、後半でマインドフルネスストレス低減法のやり方が紹介されます。
前半で紹介されるマインドフルネスの基本的な考え方は以下の通り。
•「今を生きる」とはどういうことか(第1章)
•マインドフルネス瞑想の基本的な7つの態度(第2章)
•マインドフルネス瞑想で呼吸に集中するのが効果的な理由(第3章)
特に第2章で紹介される、マインドフルネス瞑想の基本的な7つの態度は必読です。
ここを読むだけで、瞑想するにあたっての大切な考え方が身につき、瞑想の効果が格段に上がるでしょう。
この七つの態度は、瞑想トレーニングを行うための基礎になります。実際にトレーニングに入る前に、この取り組み方を十分に理解しておけば、非常に効果が上がると思います。実際にトレーニング始めてからも、いつも肥沃な土壌を保てるように、何度もこの章を読み直してください。
引用:ジョン・カバットジン著『マインドフルネスストレス低減法』
また後半で紹介されるマインドフルネス瞑想法は以下の通り。
•食べる瞑想(第1章)
•静座瞑想法(第4章)
•ボディー・スキャン(第5章)
•ヨーガ瞑想法(第6章)
•歩行瞑想法(第7章)
それぞれの瞑想法の考え方とやり方を詳しく紹介しています。
②マインドフルネスストレス低減法でストレスに対処する方法(第II部)
第II部では、マインドフルネスストレス低減法で様々なストレスに対処する方法が紹介されます。
具体的には以下の通り。
•体の痛みの対処法(9・10章)
•時間ストレスの対処法(11章)
•対人ストレスの対処法(12章)
•仕事ストレスの対処法(13章)
たとえば第11章では、時間ストレスに対処する方法として、「何もしない」を紹介しています。
「時間ストレスへの対処法は、意図的に何もしないことである」と言うと奇妙に聞こえるかもしれませんが、これは”時間がない”というストレスを抱えている人にも、”時間がありすぎる”というストレスを抱えている人にもできる方法なのです。
引用:ジョン・カバットジン著『マインドフルネスストレス低減法』
第11章をじっくり読むと、「何もしない」が、「あるがままの現在を受け入れること」と同義であることがわかります。
ではなぜ「あるがままの現在を受け入れる」と、”時間がない”ストレスや”時間がありすぎる”ストレスが解消されるのでしょうか?
気になる方はぜひ『マインドフルネスストレス低減法』の第11章を読んでみてください。
③全体性や癒し、心と健康の関係(第Ⅲ部)
第Ⅲ部に関しては
1.「全体性」と「癒し」
2.心と健康の関係
にわけてご紹介します。
1.「全体性」と「癒し」
第Ⅲ部の前半では、個々の人間としての「全体性」と、個々の人間を超えたより大きな「全体性」を紹介しています。
まずは個々の人間としての「全体性」から。
私たちの体は、まさに1つの”宇宙”だといえるでしょう。体は、何百億もの細胞から成り立っていますが、それぞれの細胞の内部には、全体としての体のバランスと秩序を維持するための統制機能が組み込まれているのです。
引用:ジョン・カバットジン著『マインドフルネスストレス低減法』
続いて個々の人間を超えたより大きな「全体性」。
あらゆる生物は、それ自体で1つの全体であるとともに、さらに大きな”全体性”の中に組み込まれています。私たちの肉体も、より大きな全体性、すなわち外界や地球、宇宙に属しているのです。そして、この肉体は、それ自体で1つの全体として完成されたものであるとともに、外界とのあいだで常に物質やエネルギーの交換を行いながら、変化していくものでもあります。
引用:ジョン・カバットジン著『マインドフルネスストレス低減法』
『マインドフルネスストレス低減法』では、瞑想トレーニングを積むと、個々の人間としての「全体性」と、個々の人間を超えたより大きな「全体性」を感じられるようになり、「癒し」がもたらされると説いています。
そして「癒し」がもたらされる効果として
•より広い視野で問題を解決できる
•全体の一部として問題を捉えられる
•自分の可能性に気付ける
•病気が良くなる
などを紹介しています。
2.心と健康の関係
第Ⅲ部の後半では、心と健康の関係について紹介しています。
具体的には以下の通り。
•現代医学や、心の持ち方と健康の関係(16章)
•思考や感情、性格が健康におよぼす影響(17章)
•人や自然とのつながりが健康におよぼす好影響(18章)
たとえば第17章では
•楽観的な思考パターンが病気を防ぎ、寿命を延ばす
•感情を抑えがちな人は癌にかかりやすい
•「一般的に他者は利己的で、信頼できないものである」と考える人は、心臓病にかかるリスクが上がる
といった、健康に関する面白いトピックがずらりと並びます。
『マインドフルネスストレス低減法』はどんな人におすすめか

マインドフルネスストレス低減法は、以下のような方におすすめです。
・これからマインドフルネスを始めたい方
•現在実践しているマインドフルネスの効果を上げたい方
・マインドフルネスで体の痛みや時間、人間関係、仕事のストレスに対処したい方
・健康な心身を手に入れ、人生の幸福度を上げたい方
著者がマインドフルネスストレス低減法を開発したジョン・カバットジンということもあり、マインドフルネスの考え方とやり方について詳しく書かれた、とても内容の濃い一冊です。
本書を読んで瞑想に取り組む方が、自己流で取り組むよりもはるかに効果が上がるでしょう。マインドフルネス実践者必読です。
ただし、内容が濃いぶん理解するのに少々苦労するので、自分の頭でよく考えながら、じっくり読む必要があります。僕自身も繰り返し読んで、瞑想の効果を上げていきたいと思います。
