・「孤独」と「孤独感」の違い
・「孤独」ではなく「孤独感」が心身に悪影響をもたらす
という筆者の考えをご紹介します。
Contents
「孤独」と「孤独感」の違い

「孤独」と「孤独感」の違いを
①「孤独」とは
②「孤独感」とは
③「孤独」と「孤独感」の関係
の順にご紹介します。
①「孤独」とは
「孤独」とは、親しいと思える人がいない状態を指します。
誰を親しいとするかはその人の主観が決めるため、自分が「孤独」であるかどうかもその人の主観が決めます。自分を「孤独」だと思うのであれば「孤独」だし、「孤独」だと思わないのであれば「孤独」ではありません。
②「孤独感」とは
「孤独感」とは、この世界を自分一人で生きているような感覚を指します。「孤独感」を感じるときは、通常「寂しい」という感情を伴います。
「孤独」と同様に、「孤独感」も感じているかどうかはその人の主観が決めます。「孤独感」を感じていると思えば感じているし、感じていないと思えば感じていません。
③「孤独」と「孤独感」の関係
自分を「孤独」だと思っていない人は、「孤独感」を感じにくく、「孤独」だと思っている人は、「孤独感」を感じやすい傾向にあるのはおわかりでしょう。
注意してほしいのは、自分を「孤独」だと思っていない人が、「孤独感」を感じている場合もあるし、自分を「孤独」だと思っている人が、「孤独感」を感じていない場合もあるということです。
親しい恋人がいる人でも、相手と疎遠で浮気を疑っていたり、肝心なことを打ち明けられていなかったりした場合、心のどこかで寂しさを感じてしまうでしょう。また家族がいても、家族だからという理由で嫌々付き合っていたり、長い間交流がなかったりした場合、寂しさを感じてしまうはずです。

一方で自分の趣味や研究に一人きりで打ち込んでいる場合、「孤独」でも人生が楽しいので、「孤独感」を感じる隙がないかもしれません。また山奥で瞑想などの修行をしているお坊さんも、人や自然とのつながりを感じられるので、「孤独」でも「孤独感」は感じないでしょう。
「孤独」ではなく「孤独感」が心身に悪影響をもたらす

本を読んでいると、人間関係の重要性を主張する様々な研究にでくわします。
「社会的つながりがほとんどない男女は、うつにかかる割合が2倍から3倍高くなる」だったり、「成人を社会的接触が断たれた状態におくと、血圧が30ポイント上昇する」だったり…
しかしこうした研究は、そのほとんどが「孤独」影響によるものなのか、それとも「孤独感」の影響によるものなのかはっきりしません。基本的に「孤独」な状態にある人は「孤独感」を感じやすいため、「孤独」ではないけど「孤独感」を感じている人、あるいは「孤独」だけど「孤独感」を感じていない人を対象に研究をするのが困難だからです。
そして僕は、心身に悪影響をもたらすのは、「孤独」ではなく「孤独感」の方ではないかと考えています。
なぜなら
・「寂しい…」
・「孤独な自分は人としてダメなんじゃないか…」
・「孤独な自分はこれから生きていけるのだろうか…」
といった感情や思考が負の連鎖を生み出し、徐々に心身をむしばんでいくから。
逆に「孤独」な状態でも人とのつながりを感じていたり、趣味に打ち込んだりして「孤独感」を感じていなかった場合、負の連鎖に陥らずにすむので、健康な心身を保てる気がしています。

もちろん、「孤独感」を無理やり抑え込むのは良くありません。寂しさを感じないために趣味に熱中しようとすると、抑え込んでいた「孤独感」が肥大し、心身により大きな悪影響をもたらすでしょう。

「孤独」でも「孤独感」を感じずに生きる6つの方法(2020.10.20追記)
以下の記事で、親しいと思える人がいない「孤独」な状況でも、「孤独感」を感じずに生きる方法を6つご紹介しました。
寂しさや「孤独感」を感じている人は、その感情をしっかり認めたうえで、ぜひ実践してみてください。

しんどい「孤独感」に対処する12個の方法(2020.10.26追記)
以下の記事で、しんどい「孤独感」に対処する12個の方法をご紹介しました。
前述した「孤独」でも「孤独感」を感じずに生きる方法に比べ、比較的簡単に取り組めるものが多いので、「孤独感」で辛い思いをしている方はぜひ参考にしてくでさい。
